ねこの去勢や避妊はねこたちにとってよいこと?
そもそも必要なの?
ねこと暮らすうえで必ずと言っていいほど直面する問題。
それがこのメス猫の「避妊」やオス猫の「去勢」だと思います。
そもそもなぜ避妊手術や去勢手術が必要なのでしょう?
生まれ持った本来の生き方を人間の手で勝手に変えてしまっていいのか。
結果的にはねこたちのためになると思っていても、やはりどこかで「これでいいのかな」という気持ちがつきまといます。
そんな避妊や去勢について考えてみました。
外飼い猫・地域猫の場合
基本的には、交通事故ケガのリスクを考えると室内飼いをおすすめしたいのですが、そういったリスクが少ない場所では外飼いをすることもあるでしょう。
外で飼っている猫さんや地域猫さんに関しては、他の猫さんと子供を作る可能性があります。
メス猫の場合、そういった子供たちの面倒を見られるのであれば避妊は不要かもしれません。
育てられない環境なのであれば、母猫のためにも、子ねこのためにも避妊が必要になるでしょう。
オス猫の場合は他の猫さんをどこかで妊娠させてしまうことが考えられます。飼い主の責任として、やはり去勢が必要になるでしょう。
避妊・去勢手術が与えるねこたちへのメリット
本来は子どもを産む機能を持って生まれた猫たち。
人間の手で勝手にそれを奪っていいのかと思いますが、避妊手術をすることでよいこともあります。
まず、乳がんや、子宮・精巣といった生殖器に関わる病気にかかるリスクが減ります。
メス猫の場合は妊娠・出産・育児という母体に負担のかかることがなくなり、オス猫も温厚な性格になりケガをしにくくなるため、一般的には長生きするようになります。
また、姓ホルモンでいわゆる「さかり」行動がなくなるので、ストレスが減るとも考えられています。
(実際のところは猫たちに聞かないと分かりませんが…)
ただ手術による体への影響、特にホルモンバランスの乱れによる体の変化は少なからずあります。
避妊、去勢の時期と費用
避妊や去勢をするタイミングは?
猫は7ヶ月前後で性成熟します。
発情する前に手術を行うことを考えると、その前に行うとよいと言われています。
避妊・去勢手術は生後6か月~9か月の間に行うことが多いようです。
避妊・去勢の費用
メス猫の避妊手術の費用は15,000~20,000円、オス猫の去勢手術の費用は10,000円~15,000円ほどです。
動物病院やかかった行程により異なります。
メス猫の避妊手術の場合は卵巣と子宮を切除します(卵巣のみの場合もあり)。麻酔をかける時間も30分~1時間程度と短く、術後は1泊~2泊程度の入院となるのが一般的です。
オス猫の去勢手術の場合は精巣を切除します。麻酔も数十分程度で済み、通常は縫合が不要な手術なので日帰りか1泊入院が多いです。
ねこに安心と幸せを
避妊や去勢のねこへのメリットを挙げましたが、やはり最終的には人間のためである部分も多いと思います。
むやみな繁殖を避けるのはねこたちの為にもなりますが、特にオス猫の場合はマーキング行為の抑止のためであることが大きいのではないでしょうか。
実際、わが家で飼っていた猫(オス)もマーキングがひどく、なかなか大変でした。
わたしの育った家は田舎だったこともあり、外で猫を飼うことも普通だった時代。
ある日ケンカをして大けがを負って帰ってきました。
そこでついにケガの治療と一緒に去勢手術をしたのですが、それからは外に出たがることもなく、のんびり家猫として暮らしていました。
ホルモンバランスの崩れで太ってしまったときは何とも言えない気持ちになりましたが、幸せそうに寝ている姿を見るとこれでよかったのかなとも思うようになりました。
思えば母も去勢をためらっていたのだと思います。ケガをして帰ってきたのをきっかけに、決心したのかもしれません。
お互いに心地よく生きていくためにねこたちに協力してもらう分、わたしたちはねこたちに安心と幸せをめいっぱい与えてあげたいと思います。